浅海地区まちづくり協議会は、浅海地区を「誰もが住みたいと思えるようなまち、浅海」にしていくために発足しました。
その方法として、浅海地区まちづくり計画を策定しました。
浅海地区まちづくり計画
浅海地区は松山市陸地部の最北端に位置し、穏やかで美しい海、砂浜・磯浜の両方を有する変化に富んだ海岸線、それに散歩感覚で登れる標高100~300mの山々に囲まれた自然豊かな地区です。
しかし、近年、地区の人口はかつてないほど急激なペースで減少してきています。また、それに伴い、生活の利便性が徐々に低下してきている状況であり、地区内のいくつかの集落は限界集落へと向かっています。このため、浅海地区まちづくり協議会では、地区の魅力と活力を向上させて地区活性化を図り、この人口減少に歯止めをかけるべく、次の5つのコンセプトの基づき、「浅海地区まちづくり計画」を策定しました。
1.まちづくりの大切さについて、できる限り多くの地区住民の理解と協力を得るとともに、地区内の既成各団体との連携を密にして、地区内の諸問題解決に向けて、息の長いまちづくりに取り組む。
2.地元の宝さがし・宝みがきをして浅海の魅力をパワーアップさせ、まず地元の人たちが好きになり誇りを覚えるような浅海を目指す。また、その浅海の魅力を外部にも発信し、外部からも多くの人々が訪れてくれるような浅海づくりに取り組む。
3.人口減少とともに保全が難しくなってきている史跡や、継承が危うくなってきている伝統文化に配意するとともに、増加する一方の高齢者の生きがいづくりや生活利便性向上にも取り組む。
4.浅海地区は海に面し、海岸堤防の背後の低地に住宅が密集しているため、南海トラフ巨大地震に伴う津波への十分な備えが必要であることから、大津波が発生すれば通行が危ぶまれる国道196号の代替道路や地区内住宅密集地の市道拡幅について、地元調整の協力を前提に行政への要望を継続する。
5.浅海地区の美しい景観を損ねている道路沿いの雑草や雑木等を除去するほか、新たな景観向上活動に取り組み、地区の景観を保全し地区のイメージアップにつなげる。特に、近年増加しているお遍路さんへの対応として、遍路道沿いの環境美化や休憩所設置に取り組む。
なお、計画の策定に当たっては、地区内全戸を対象とした地区の魅力や課題を探るアンケートを実施したほか、計画策定の手法を学ぶ学習会の開催、さらには計画策定に向けて、いくつかの事業の試行等を行い、それらの結果や成果を可能な限り計画に反映させました。
まちづくりは、行政任せ、誰か任せではできません。まず住民だけでできることは、住民が力を合わせて実現していく必要があります。そして、住民だけではできないことは、行政や関係団体と、より一層、連携・協働して取り組んでいきたいと考えています。
また、出来ることから一つひとつ実現していき、粘り強く「誰もが住みたいと思えるようなまち、浅海」を目指していきたいと考えています。
浅海地区の概要
浅海地区は愛媛県松山市の最北端に位置し、人口は約1,100人、世帯数は約440世帯。古くは梨の特産地として知られ、現在は特に柑橘の生産が盛んな地域です。
【海・海岸線】
地区は、瀬戸内海斎灘(いつきなだ)に面しており、海岸線に沿った国道196号からは穏やかな海と、砂浜や磯浜もある変化に富んだ海岸線の美しい風景が楽しめます。また海岸線の沖合には、赤い燈台があり、夕日がちょうどその真上に落ちる日があり、非常に美しい風景が楽しめます。
【山々】
地区は、三方を散歩感覚で気軽に登ることができる標高300m級の山々に囲まれており、各山の山頂からは美しい眺望が楽しめます。また、丘陵部には多くの古墳が分布しています。
【果樹栽培】
地区は、古くから果樹栽培の先進地とされ、主要栽培果樹は、赤梨→温州みかん→宮内伊予柑と変化してきました。現在も、せとか、甘平、紅まどんな等の多くの新品種が栽培されています。
【遍路道】
地区内には、昔からの遍路道があり、全国から、また海外からも多くのお遍路さんが訪れて歩いています。
浅海地区まちづくり協議会は、地区内の遍路道の一番眺望がいい場所に「お遍路さん癒しの休憩所」を作りました。